MOON PHASE 雑記

ニュースサイトMOON PHASEのブログ

先月下旬から忙しくなったせいで、本館の更新量が減って、アニメの感想も途切れてしまってましたが、激動の2011年最終日ぐらい何か更新せねばというわけで、菅野ひろゆき氏が亡くなったというショッキングなニュースに触発されて、個人的に面白かった歴代ゲームランキングを書いてみる。ただし、アクション、シューティングなどに特化してる若干面白さのベクトルが違うジャンルのものは除外してます。

01.「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」

主人公の父母が残した謎を解き、奔走した果てに、父娘の近親愛が世界を救うSFアドベンチャー菅野ひろゆき剣乃ゆきひろ)と蛭田昌人が手を組んで生み出されたADVゲームの一つの到達点。主人公の選択によってルートが確定するADVゲームの特性を、『時は可逆、歴史は不可逆』という概念を用いて並列世界を視覚化し、それを渡り歩くA.D.M.Sは衝撃的だった。当時、自分がはじめて発売日当日朝一で購入し徹夜でプレイしまくったゲーム。真のエンディングに辿り着いた時の喪失感は凄まじく、未だにこれを越える喪失感を味わうようなゲームには出会えてないと思う。菅野ひろゆき氏が亡くなったことで、制作スケジュールの遅延と予算などが原因で当初の予定から削られた、異世界編もA.D.M.S化した完全版が世に出る可能性が潰えてしまったのが残念でならない…。せめて、フルカラー・フルボイスで最新OSに対応したリメイク版を出して貰いたいものだ。

02.「Ever17 -the out of infinity-」

かつて交わした約束と、いつか還るべき場所へ。海洋テーマパーク《LeMU》に閉じ込められてしまった男女が生還を目指す、閉鎖空間脱出劇。今は無きKIDの代表作であった、『Memories Off』シリーズと人気を二分していた『infinity』シリーズ2作目にして最高傑作。1作目の「Never7」から『infinity』シリーズのキーワードになっているキュレイと、ゲームのプレイヤー自体が組み込まれた、物語を解決へと導く仕掛けによって、奇跡の如く伏線が回収されていくココ編の爽快感は感動もの。ココ編に至る前の個別ルートの中弛みと、通常会話が今一つ面白くなかったのが欠点かな。YU-NOと違って、頻繁にリメイクされていて手が出しやすいのは○。

03.「英雄伝説III・IV・V ガガーブトリロジー」

物語る意志をコンセプトに、『詩うRPG』として壮大なスケールで綴られる、日本ファルコムが誇る連作RPGシリーズ。売上げや知名度なら、最新の『軌跡』シリーズの方が上なんだけど、『軌跡』シリーズは風呂敷を広げる一方で、未だに完結が見えてこないので、個人的には、やっぱりガガーブトリロジーの方が評価は高くなります。巨大な大地の裂け目『ガガーブ』に分けられた世界を舞台に、『害周波』と呼ばれる世界を滅ぼす黒き波へと立ち向かった小さな英雄達の物語。単なるスターシステムではなく、世界観も、各キャラクターが抱えているドラマも、伏線も引き継がれているため、III・IV・V全てプレイ推奨。時系列順では、IV→V→IIIだけど、ナンバリング通り、III→IV→Vの順で攻略して、最後にもう一度IIIをプレイすると、涙で前が見えなくなるぜ…。

04.「EVE burst error」

YU-NOと同じく、菅野ひろゆき剣乃ゆきひろ)が手掛けた、マルチサイトADVゲーム。私立探偵天城小次郎と国家エージェント法条まりなを交互に操り、連続殺人事件の真相を解き明かしていくEVEシリーズの一作目。といっても、菅野ひろゆき剣乃ゆきひろ)によるこの一作目と、「Ever17」の打越鋼太郎が手掛けた「EVE new generation」以外は地雷なので注意(笑)。ただ、後の直木賞作家にして、「GOSICK」がTVアニメ化された桜庭一樹がゲームの脚本を執筆したという点で、「EVE The Lost One」はコレクション性があるかも。

《関連》「EVE new generation X」【感想】

06.「痕」

Leafビジュアルノベルシリーズ第二弾。「雫」や「ToHeart」でも有名な、高橋龍也水無月徹コンビによる伝奇サスペンス。自分を、こっち系の世界に引き摺り込んだ元凶がこれ(笑)。PC98をはじめて購入した後に、友人に勧められるまま手を出した時に人生が分岐した(笑)。そのため、自分は「雫」よりも、こちらを先にプレイしてました。柏木四姉妹と「ToHeart」のキャラを含めて、誰派だどうのと語っていた当時が懐かしい…。

07.「BALDR FORCE EXE」

架空のネット世界が日常化している舞台で、ネット上に出現するといわれる電子体幽霊(ワイヤード・ゴースト)に導かれ、愛するものを救うため、自分の存在をかけた戦いを挑むADV+ACTゲーム。複数回プレイの要素がシナリオに反映され、ループ構造を繰り返すことで物語の核心に迫っていく。「BALDR SKY」と甲乙付けがたいんだけど、キャラクターの魅力は、敵味方ともにこちらの方が自分の嗜好に合っていたので、今回はこちらを選ぶ。昨今のエロゲーには珍しいゲーム性とハマリ要素、そして熱いBGMが秀逸。

08.「DESIRE」

菅野ひろゆき剣乃ゆきひろ)が手掛けたマルチサイトアドベンチャー。氏の名前を一躍有名にしたタイトルだと思う。シナリオの面白さが特出してるとは言え、どぎつい寝取られと後味の悪い結末なので、YU-NOやEVEと違って、最近のエロゲユーザーにはニッチすぎてウケないかもしれない。賛否両論あれど、ハッピーエンド至上主義な自分としては、グラフィックとハッピーエンドが追加された『DESIRE 完全版』の方が好き。

09.「車輪の国、向日葵の少女」

発売前の期待値は低かったけど、プレイしたユーザーの評価と口コミにより、発売後に人気を博した泣きゲー。『A Profile』で開花したるーすぼーいの叙述トリックが、序盤から貼られた巧妙な伏線と相まって、ここ以外ないという絶妙なタイミングで決まった快心のシナリオ。罪を犯すと課せられる特別な義務と特別高等人という設定の勝利と、モリケンの俺TUEEEっぷりが気持ち良いゲーム。ちなみに、ファンディスクの「車輪の国、悠久の少年少女」では、モリケンのキャラが劣化しすぎなので、とっつあんシナリオ以外には期待してはいけない。

《関連》「車輪の国、悠久の少年少女」【感想】

10.「媚肉の香り〜ネトリネトラレヤリヤラレ〜」

「媚肉の香り〜ネトリネトラレヤリヤラレ〜」【感想】


5位以下は、順位付けが難しくてわりと適当(笑)。意図したわけじゃ無いけど、Key作品やTYPE-MOON作品が入らなかったし、「うたわれるもの」「家族計画」「キラ☆キラ」「CROSS†CHANNEL「黄昏のシンセミア」「スマガ」「俺たちに翼はない」「プリンセスうぃっちぃず」遥かに仰ぎ、麗しの」等々、他にもTOP10入りさせても良い作品が多々あるので、気が向いた時にまた取り上げたい。


初詣を兼ねて毎年恒例の旅行に出かけてくるので、Twitter以外の更新再開は新年3日の予定です。オリンピックイヤーの来年は、3.11のような未曾有の大災害が起こらないことを祈りつつ、それでは良いお年を。