MOON PHASE 雑記

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「sola」第13話

これから空を見る目が少し変わるような、そんな最終回。茉莉と依人は空へと旅立ち、残された蒼乃は、たった1人で2人の記憶を残したまま前に進む。記憶を無くした石月姉妹も、心のどこかで想いを受け継いでいて、最後のトマトしるこ2缶で、想像の余地も残している。安直に2人が生きてると言うことではなく、2人が一緒に飲んだ1話の足跡か、それとも転生とか。結局、締め方としては「AIR」と似た手法に落ち着いた。同じく小林智樹監督が手掛けた前作「うたわれるもの」のラストとも似てる。茉莉が蒼乃の幸せを勝手に決めて押し付ける偽善と、それを蒼乃が受け入れる過程は明らかに描写不足だったかなあ。前回のスクリーンに映った空を見た茉莉の決意と緊迫した引きに対して、今回のAパートの結末までの流れが繰り返しのような形になってしまったのが残念だ。かつて依人が見つけた茉莉に空を見せる方法が洞窟に描いた空だったと言う事実が明らかになった瞬間、思わず息を呑んだよ。昔と全く同じ方法で依人は茉莉に空を見せる約束を果たしていたのだな。依人の部屋の天井を見て留まったあの時、ただ空への渇望だけではない思いが茉莉の中に生まれたんだろう。Bパートは、ゆっくりとエピローグ。髭を剃った剛史と、年々服のセンスが悪くなってる繭子。この2人だけのスピンオフが見てみたい。あの剣の入手経路とか、繭子を夜禍にしたのが誰かとか、色々と消化不良だし。折り紙を続けてるこより。真名さん呼び癖は相変わらず。空を追い続ける依人の夢を受け継いだ真名。依人の象徴でもある空に大好きだー!と叫ぶシーンは、依人を引き継いだと言うことと、空=依人への告白と、両方にかかってる感じ。そして、人としてもう一度生きる道を選んだ蒼乃。普通に考えれば後追い自殺してもおかしくないんだけど、空っぽだった茉莉に心を教えたのが蒼乃で、茉莉の命を貰うとともにその心を取り戻したからこそ、空の下を歩いていくことを決意したし、雰囲気も茉莉っぽくなったんだね。エピローグの昼は依人、夜は茉莉の象徴を描いていて、その軌跡を辿っていたことが感慨深い。2007年春期の1クール作品の中では一番楽しめたかな。久弥信者補正も多分に入ってますが。残るは、DVDに収録される新作エピソードに期待。蒼乃姉さんの学生生活は見られるのか?