MOON PHASE 雑記

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「天元突破グレンラガン」第27話

地下から始まり、地上を超え、空を超え、宇宙を超え、ついには天を超え、そしてただ去って行った一人の英雄の生き様を描ききった最終回。だから、世代交代した後の続編はあえて語る必要はない。ニアを救い出し、大グレン団の全てを結集して生まれた天元突破グレンラガンと、アンチスパイラルの最終決戦は、銀河を投げ、時空すら歪めると言う、SF史上最大規模のスケールじゃないかと思う無茶苦茶っぷり。まさか惑星を武器にしてた「トップをねらえ!」すら軽く凌駕するとは思わなんだ。ロージェノムは最後の最後でまた美味しいところを持って行くなあ。仮初めの姿とは言え、ニアとの会話があったのも嬉しかった。天元突破→ラセンガン→超銀河→アーク→グレンラガン→ラガンインパクト!!!の決着シーンを見て、ああ、これまでの異常な力のインフレは、もちろん、その場を盛り上げる効果もあっただろうけど、ただこの一瞬のため、そして原点へと回帰するためにあったんだなあと感慨深くなった。そして、全てが決着が付いた後のエピローグ。この落差が切なさを煽る。シモンとニアがお互いの気持ちが通じ合った上でニアが消えるというのは、頭では理解できても、心では納得できなかった。あのメッセンジャーとしての黒ニアがアンチスパイラルが生み出した仮想人格で、ニア自身の肉体と人格はロージェノムが創った娘として形成されたものだと思ってたのに。同じ消えるにしても、螺旋力によって永遠に近い命を持ってしまったシモンが、人間と変わらない寿命のニアに先立たれた、みたいな幕引きなら、多少はやりきれない切なさも拭えて、かつ、シモンの孤独感も表現できたのになあ。それにしても、20年後にしてはみんな老けすぎだ。まだ40前だろ?シモンの生き様を描ききるために必要な後日談とはいえ、後味は「トップをねらえ!」より「まほろまてぃっく〜もっと美しいもの〜」に近い苦さがあった。
総括。久々に感情移入して楽んだロボットアニメだった。色々納得いかない点も多いけど、2クール四部構成で、70年代〜2000年代までのロボットアニメを総括するような娯楽大作にまとめ上げてくれたスタッフの力量は確か。ガイナックスの、エヴァに縋るだけと言うイメージもこれで少しは払拭されたんじゃないかと思う。まあ、劇場版新エヴァを同時にやってるので、説得力には欠けるんですが…。カミナを早々に退場させる大胆な構成と、シモンの成長を描いた第2部まではとても気持ち良く物語を追えた。個人的には第3部で結構醒めてしまったのが勿体なかったな。