MOON PHASE 雑記

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「黄昏のシンセミア」

誰かを残していくのは、どんな気持ちなのだろう―――

それは、翔子ちゃんを置いてジャコスに行く気持ちを想像するのが良いと思うね(笑)。

再会を夢見た別離の果てに天女の身に降り掛かった悲劇から生まれた絶望と憎悪を、禁忌の関係だとわかっていても、一緒に居続ける事を選んだ兄妹の固い絆が解き放つ、伝奇純愛ロマン。単に自分の攻略が遅れて今年にずれ込んでしまった「BALDR SKY」を除くと、今年は未だに◎評価を付けられる作品に恵まれず不作だなあと思っていましたが、ようやく、文句なしに◎評価付けられる作品に当たりました。銀子さんルートの序盤で、話をはぐらかされるのを繰り返してる時は苦痛だったんだけど、終わってみれば、実妹モノに限れば最高傑作ではないかと思わせるほどの完成度。奇しくも、「黄昏のシンセミア」の前に攻略していた「Sugar+Spice!2」も、サプライズ実妹ヒロインだったので、余計際立つというか…。まあ、実妹ではなく、近親モノ全般まで範囲を広げると、さすがにYU-NOの牙城は崩せませんが。珍しく青年設定なので理論立てて行動できる好感度の高い主人公(ただし、どうみても○学生20歳な翔子ちゃん&沙智子ちゃんや、実妹を手籠めにしちゃう孝介兄さんマジ紳士)、兄妹で結ばれる事に対し、無条件で受け入れられることなく、きちんと反対してもらえる常識のある世界観、実妹ではなければ成り立たないシナリオ、全てに救いはなく、悲劇は悲劇として受け止めなければならない厳しい物語としての側面と、それを乗り越えたことで感動させてくれる結末、サブヒロインにもルートが用意されていて、立ち絵のある女性キャラ全てにエッチシーンが用意されている抜かりのなさ(皐月さんは陵辱BADですが…)、アドベンチャーゲームとしてほぼ完成されたフローチャートシステム。ほとんど非の打ち所がなく、近親恋愛モノが苦手でなければ是非やって欲しい作品。欲を言えば、フラグメントの回収から、さらにifルートが開けて、接続子の組み合わせで新たなフラグメントが発生するとかあれば良かったな。そこまで進化すると、YU-NOのA.D.M.Sっぽいですけど(笑)。

18禁要素抜きでも十分通用する内容なので、今後のメディアミックス展開にも期待したいところですが、あかべぇそふとつぅ系列作品は、「車輪の国、向日葵の少女」「るいは智を呼ぶ」「G線上の魔王」「コンチェルトノート」「暁の護衛」「コミュ」「置き場がない!」「黄昏のシンセミア」等々、評価の高い人気作品を多数有してるのに、未だに1作もアニメ化されてないからなあ。トークショーで、アニメ化の話が来ていて慎重に進めてるみたいな事を言ってた「G線上の魔王」でさえ、結局やるやる詐欺状態だし…。コンシューマーメーカー並みにアニメ化の許可を出す条件が厳しいのか、あかべぇそふとつぅさんは。