MOON PHASE 雑記

ニュースサイトMOON PHASEのブログ

OVA「異世界の聖機師物語」Blu-ray、DVD及びレンタル情報追加&アニマックスPPVプレミアにて先行放送・実施!!

OVA「異世界の聖機師物語」オンエア及びパッケージ情報が解禁になりました!!
全13巻で、第1巻は、4月22日(水)よりDVDレンタル開始。DVD&Blu-rayは、5月発売予定。第1話は、アニマックスPPVプレミアにて3月20日(金)〜31日(火)に先行放送。

「俺たちに翼はない」

†ぬるっと行こう!
†ブッ殺すぞコノヤロウ。
†髪切れ髪。
†うぉんむ、うぉんむ。ばふん。
†なんだと。
†お前が厚生労働省か!
†マジありえんてぃー。
†胸が高鳴るー。
†黒豚より好きだ!
†ひっさつチンコプター!
†やったね!
…そして、世界が平和でありますように。 世界が! 平和で! あります! ように!
多重人格、精神障害厨二病、腹黒、ヤンデレツンデレ、クーデレ、いじめっ子、ヤンキー、ラッパー、薬中、汁男AVスカウト、同性愛者と何でもござれ。奇人・変人・狂人が集う、ここはDQN楽園パラダイス
発表から6年も待たされた王雀孫の新作は、愛しい義妹を守るために、当時流行したゲーム『ウィングクエスト』に登場するキャラクターに見立てた人格を生み出し、自らは罪を背負って心の奈落の底へと引きこもってしまった主人公が個性豊かな人々と交わることで、やがて、≪俺たち≫ことタカシ・鷲介・隼人・伽楼羅・ヨージ、いや、プレイヤーすら含めた全ての人々に翼はないこともないらしいぞ〜と教わる話。月並みだけど、高評価と低評価が真っ二つに分かれそうな作品ですね。この感想の最初の数行に嫌悪感を覚えるような人には全く合わないだろうな。この程度の言葉の羅列は気にならなくても、リアルに痛々しいタカシ編の前半と、ぶっ飛んでるカルラ編で更にふるいにかけられるので、そこを受け入れられるかどうかで評価が左右するのは間違いないね。
特にトリックのキモとかではないのですが、主人公は解離性同一性障害(DID)いわゆる多重人格者。その主人公をどのヒロインと結ばせるのか、はたまたバッドエンドに進めるのか、それとも、救いをもたらすのか、選択肢によって導く力を持つプレイヤーはISH(Inner Self Helper)だと言うオチ。ディスプレイの外に向かって話しかけるのは、「Ever17」のブリックヴィンケルとか、「車輪の国、向日葵の少女」のあんた的なギミックを期待してたので、ちょっと拍子抜けだったかも。序盤では、それぞれの人格のストーリーごとに時間軸を遡って見せることで、自分の人格が眠ってるときに起こった出来事を補完し合う形で少しずつ謎解きをしていく構成なので、終盤で各ヒロインのルートに分岐した後を除けば、シナリオは基本的に一本道。
それぞれの人格のルートに焦点を当ててみると――
●羽田タカシ編。明日香と京で、現実逃避の妄想癖を直すか受け入れるかに分岐する。結論としては、逃避ではなく探索、それは翼を探す旅。落ちてからのアスカ姫のデレっぷりは反則。仮面恋人ではなく、本当に結ばれてからの学園生活が描かれなかったのが本気で悔やまれる。京には、キービジュアルにいないサブヒロイン扱いキャラで唯一エンディングがあります。萌えに目覚めた俺たちのハリューは最高です。
●千歳鷲介編。レストラン『アレキサンダー』を舞台に繰り広げられる王道ドタバタコメディー。下ネタギャグが冴え渡る明るいノリのシナリオで、デレてからのタマヒヨの可愛さは異常。
●成田隼人編。何でも屋稼業の主人公が、自転車探しをさせられたり、不良グループの抗争に巻き込まれたりする話。……なんだこの告白。このルートには、コーダインが攻略できないという重大なバグがあります。マジありえんてぃー。
●伊丹伽楼羅編。鳳翔君からラブラブ光線を浴び続けて遂に再臨した、グレタガルドに最も染まった危ない人が痴態を晒す話。狂夜フルボッコのシーンはさすがにドン引きするわ。
●羽田ヨージ(統合)編。身体は大人、心は子供の変態エロガキが、そのまんまのノリで、義妹を傷モノにしちゃう話。エロシーンでは、各ヒロインに対する人格を固定してるせいだろうけど、小鳩とのエッチは、鳴×隼人のような笑えるエロとも違って、背徳感が強すぎてきつかった。学園付属一年で誕生日前の小鳩が12歳LV.12だとして、ヨージの精神年齢がLV.9ぐらいだから、そう考えると、マセガキが、お姉ちゃんに性的イタズラしてる構図なんだけども。人格が5体合体してから、それぞれの人格時に登場するキャラ達が絡み合うシーンは面白い。でも、せっかく人格統合したのに、それを知ることになるのは一部だけで、約束の日とか勿体ぶったワリにあっさり終わってしまってカタルシスを得られない尻すぼみ感にはガッカリしたんだよなあ。PTSD言語障害になってた小鳩とか、重いドラマの部分が、主人公が記憶を取り戻す過程の回想で軽く流されてるし、小鳩との絡みが薄いから、恋愛面で最後まで感情移入し難いのもマイナス。小鳩と寄り添ったノスタルジーな雰囲気を否定するわけではないんだけど、主人公が記憶を取り戻す過程に全ての登場人物が絡むようなクライマックスらしい盛り上がりが欲しかったよ。
●総評。アスリード制作のフルアニメOPも良いんだけど、作品のテーマに沿って見ると、たくさんの人が翼を形作るセカンドOPの出来が非常に秀逸。激しく人を選ぶけど、夢テレビのチャンネルが鮮明に受信できる人、ありふれた作品に飽きてしまって、ちょっぴり狂った作品に触れてみたいと思った人におすすめ。コーダインとか優しくて悪寒のする高内さんとか横ぴぃーーす☆とかパル姐さんとか、魅力的なサブキャラが攻略可能のFDとアニメ化、実現するのはどちらが早いだろう?