MOON PHASE 雑記

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Steins;Gate

……結局、作品の評判を知って心を惹かれてしまった時点で、「Steins;Gate」をプレイせざるを得ないように運命は収束するんだろ。
5pb.×Nitroplusタッグによる科学アドベンチャーシリーズ第2弾は、キャラクターデザインに「ブラック★ロックシューター」のhuke氏を起用し、メインライターとして5pb.林直孝氏、そして、シナリオ構成協力に「スマガ」の下倉バイオ氏が加わった想定科学AVG。忙しくて、感想を書くのがクリアから1ヶ月も遅れてしまいました…。
様々な伏線を綺麗に回収しながら、ラストでの逆転劇と言えば「Ever17」を彷彿とさせる。何度も何度も失敗を繰り返しながら、それでも絶対に諦めずにハッピーエンドへと繋がる道を模索し続けるのは「スマガ」を思い浮かべる。世界を救うための手段として、数多の世界線を渡り歩き、境界を乗り越えて、狭間にある場所へと辿り着く旅と言えば「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」を想起する。確かに、かつて名作と評された作品と似通ってる要素は多い。しかし、当然ながら物語は全く別物であり、昨今のループ物の集大成と言っても過言ではない傑作だった。序盤は、前作「CHAOS;HEAD」並みかそれ以上にイタイ、オカリンの厨二病発言を容認できないと先に進めるのが苦痛で、実際、自分も慣れるまで結構時間が掛かってしまった。2chやニコ動、他にもネットスラングに関してそれなりに知識がないと厳しいので、万人には勧められないんだよね。だけど、それ以外の理由で挫折してしまったプレイヤーは、せめて8月13日(劇中日)まで耐えてから判断して欲しい。「Steins;Gate」の本番はその日から先にあるのだから。8月13日から先に待ち受けている試練を体感したプレイヤーならわかると思うけど、とにかくオカリンが背負ってるものが重い。実時間ではたった数週間の出来事でも、オカリンにとっては永遠と錯覚してしまいそうな程の重み。だからこそ、自然とオカリンに感情移入してしまう。そんな精神状態で、紅莉栖を見捨てて手に入れた一つの結末とエンドロールが流れる間の喪失感、そして、それがフェイクエンディングだと知った時の衝撃はなかなか味わえないものだと思う。ただ、ワリとストーリー展開や謎の答えが読めてしまい、クライマックスの紅莉栖を助ける手段なんて、絶対そうなるだろうな的なフラグ立てまくってたりするので、同じ伏線回収でも、「Ever17」のココ編で体感したような爽快感には到達できなかったのがもったいない点。それと、せっかく辿り着いたIBN5100によるメール削除のイベントも、なんであれで世界線変動が起こったのか違和感が残るんだよなあ。オカリンがENTERボタン押下した時、Dメール経由で過去のデータを削除させたのだとすると不確定要素があるし、ダルがいつの間にかx68自体にそんな機能を追加してたと言うのも無理があるし…。まあ、その部分を差し引いても有り余るぐらい出来は良いんですが。ダイバージェンスが1.0を超える時や、エピローグの紅莉栖との再開シーンなんて、先が読めるのとか関係なく感動できたしさ。オカリンが辿り着いた妄想科学タイムトラベルの真相を的確に紡いだOPテーマと、オカリンがトゥルールート以外を“選択”したことで収束したEDテーマは必聴。クリアしてから改めてOPテーマを聞き直すと泣ける。

幼い頃、たった一人の少女の心を救うために厨二病を演じはじめた少年は、全世界の未来を救う突き抜ける厨二病へ!彼が目指したのは、どんな未来も“確定”していない世界。さて、“確定してない未来が待っている世界”で、次の傑作に巡り会えることを期待しよう。

…とか書いてたら、「らぶChu☆Chu!」に続いて、早くも、科学アドベンチャーシリーズ第3弾が進行してることを明かしてる志倉千代丸氏。「Steins;Gate」も、新たに外伝漫画がコミックブレイドで始まったり、他にも色々展開予定らしい。