MOON PHASE 雑記

ニュースサイトMOON PHASEのブログ

「桜花センゴク〜信長ちゃんの恋して野望!?〜」

戦国武将の生まれ変わりが集う『戦国学園』に推薦された明智光秀と言う名の主人公が、光秀と因縁深き織田信長の生まれ変わりだと言う少女と出会い巻き込まれた、学園天下一を目指すドタバタ劇の行く末は?これは、隠れた名作かもしれんね。シナリオ力だけなら「メイプルカラーズ」を越えたかも。基本的には、どのヒロインのルートも、転生武将同士が学園天下一を目指して衝突するコメディタッチな、いわゆるバカゲーっぽいノリの前半と、戰獄生徒会を共通の敵としたシリアス熱血展開の後半で構成されてます。特に後半は、ヒロインだろうが容赦なく、折られ、斬られ、殴られ、撃たれ、等々フルボッコにされる痛ましい描写が多いので、そこは注意。また、シナリオの内容も、主人公の前世がそのまんま明智光秀で、先代の毘沙門天使だったのが事実として語られるルートと、主人公の衝撃の正体が明らかになるルート…と言うか信長ちゃんルートの2パターン分けられます。そう言った点を加味すると、輝元ちゃん→信玄ちゃん→謙信ちゃん→政宗ちゃん→藤吉郎ちゃん→信長ちゃんの順が推奨攻略順になるかなあ?ただ、ラスボスが王神になるルートを続けると、どうしてもマンネリ感が否めないのが残念な部分。しかし、それを乗り越えて、信長ちゃんルートを攻略した時の衝撃には、まんまと騙されたと思ったよ。何が凄いかと言うと、主人公の前世が明智光秀毘沙門天使だった…なんて事実は無かったんだよ!と、信長ちゃんルートだけ他のヒロインのルートで明かされた事を全て放り投げてしまっていること。大抵の恋愛モノのギャルゲーやエロゲーは、主人公がどのヒロインを選んだかによって世界が分岐するパラレル関係にあるけど、この作品の場合、信長ちゃんルート以外は、ヒロインとの関係だけでなく、主人公の前世や戰獄生徒会の成り立ちなどの設定そのものをパラレルワールド化してしまってる。そんな反則くさいどんでん返しがあるなんて予想できるわけがないので、その分、信長ちゃんルートの完成度が際立った印象を受けた。『極刑』の設定を逆手に取った叙述トリックの「車輪の国、向日葵の少女」や、プレイヤーをゲーム内に巻き込んだ「Ever17」などに匹敵する手法なのでは無かろうか。まあ、攻略順に縛りがあるわけではないので、偶然の産物なのかもしれないけど(笑)。これを最初から意図して考えたのだったら、シナリオライターを素直に賞賛したい。シナリオのマンネリ感以外で、「メイプルカラーズ」シリーズと比べて劣るとすれば、サブキャラがおまけ含めて一切エロ無しってぐらいかなあ?主人公の性格と貞操観念の強さからして、サブキャラとエッチして、さらにメインヒロインともエッチする展開に持っていくのは無理があったんだろうけどさ。