MOON PHASE 雑記

ニュースサイトMOON PHASEのブログ

「桃華月憚」第26話

数多の謎とエロスを散りばめ、視聴者を混乱の渦に陥れながら、少しずつ収束してきた学園伝奇物語も、季節は春、全ての始まりと出会いの時まで遡ってまいりました。音楽コンクールで章子に一目惚れされて招待されたらしい龍王の力を宿す真琴、悲しい物語を今度こそ終わらせるため、石剣の力を使える人間ではない存在として、鬼梗の出来損ないの人形からアンナ(雪牙姫?)の策略によって生を受けた桃香、由美子の創作物語から生まれた過去のない空っぽな器にセイが憑依して上津未原に降臨した桃花の出会いが描かれました。桃花は最初から自分に残された時間が少ないことを認識してたんですな。それを念頭に置いて、今までの明るく振る舞う桃花の姿を思い浮かべると感慨深いものがある。時系列順の第1話だから仕方ないと言えばそれまでだけど、わりとブツッと終わってしまった感じ。最後の最後でどんでん返しのサプライズがあるんじゃないかと、ちょっとは期待してたんだけど。まあ、逆再生についてはアニメ誌のインタビューで、「ヤミと帽子と本の旅人」とは違うギミックを考えていて、たまたま浮かんだ思いつきだと答えてましたが(笑)。最後まで見終わっても未回収の伏線はあるし、単純に時系列順だけ見て面白いかと聞かれると疑問で、逆順で見てわけわからなさを堪能して、あれこれ考察してから正順で見直した方が楽しめるであろう、何とも不思議な作品でした。ASブログで“しおり”と称してる『〆』『幕』『旅』に、『華』『桜』を加えた5編は何度か見返すのが良さそうだ。今回は喜多村英梨の原画を一部のシーンで使用。逆再生、声優脚本、声優原画と、最後までお遊び満載の実験アニメでもありました。これらは全て、カオスアニメ「ヤミと帽子と本の旅人」の実績があったからこそ許されたんだろうなあ。他の原作付きアニメで、ここまで冒険しようものなら、無謀の一言で切って捨てられてると思う(笑)。